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デュシェンヌ型筋ジストロフィーのフェーズIII臨床試験が主要評価項目を達成しなかったことを発表

10月、デュシェンヌ型で進められていた、エクソン51スキッピングのグラクソ・スミスクライン社の治験の結果が発表されました。
残念な結果となったようですが、さらなる研究を期待したいですね!

 

以下、グラクソ・スミスクライン社のプレスリリースより引用です。
http://glaxosmithkline.co.jp/press/press/2013_07/P1000809.html
※時間が経つとリンクが切れてしまうので、プレスリリース部分だけコピーさせていただきました。
 全文はリンク先をお読み下さい。

 

【GSKとProsensa社、デュシェンヌ型筋ジストロフィー患者を対象にした
 drisapersenのフェーズIII臨床試験が主要評価項目を達成しなかったことを発表】

<2013年9月20日、イギリス ロンドン、オランダ ライデン発>

グラクソ・スミスクライン(以下、GSK)とProsensa社は、本日、アンチセンス・オリゴヌクレオチドのdrisapersenに応答する遺伝子変異のあるデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)患者さんを対象としたGSKのフェーズIII臨床試験(DMD114044)の結果を発表しました。
その結果は、主要評価項目である6分間歩行距離(6MWD)がプラセボと比較してdrisapersenで統計的に有意な改善に達しなかったというものです。

この二重盲検プラセボ対照試験では、計186名の男児に対して無作為に割付けを行い、体重1キロ当たり6ミリグラムのdrisapersen(125名)、またはプラセボ(61名)を週1回、48週間にわたって皮下投与しました。
その結果、6MWDにおいてdrisapersen群とプラセボ群との間に統計的な有意な差は認められませんでした(両群間の平均値の差:10.33 m、信頼区間:-14.65~35.31、t検定:p値0.415)。
10 m歩行/走行テスト、階段4段の昇降テスト、およびNorth Star歩行評価といった主要な運動機能に基づく副次的評価項目においても、治療による差は認められませんでした。

最も多く報告された有害事象は、注射部位反応(drisapersen 78%、プラセボ 16%)、腎臓に関する有害事象(無症候性蛋白尿など、drisapersen 46%、プラセボ 25%)でした。血小板減少症はみられませんでした。

本年末までには、全試験を対象としたdrisapersen投与群のベネフィット/リスクプロファイルの完全な評価を完了させる予定です。これにはdrisapersenに関する各種試験から集積した結果の解析が含まれます。

GSKの稀少疾患事業ユニットの研究開発責任者であるシニア・ヴァイスプレジデントのカルロ・ルッソーは次のように述べています。

「この結果はDMDの男の子とその家族を失望させるものかもしれません。この試験に参加してくださった方々のすべてに心から感謝の意を表します。
私たちはこの疾患領域の専門家とともに開発の全体プログラムを再検討する中で本試験のアウトカム評価に取り組んでいきます。
それによってdrisapersenの次のステップへの手掛かりとなる情報が得られると期待しています。このような進め方が結果的にDMDの男児の助けとなることを望んでいます。」

Prosensa社の最高経営責任者(CEO)のハンス・スキカンは次のように述べています。

「この試験が主要評価項目に達しなかったことは残念ですが、私たちは引き続き全体プログラムの評価に取り組み、GSKと引き続き密接に連携して行く予定です。
DMD患者さんには長期的に利用できる修飾治療が全くないことから、可能性のある治療選択肢の研究開発を行うことはこの疾患に苦しむ障害をもった男児とその家族にとって非常に重要です。」

試験結果は今後、学会で発表されることになっており、さらに論文審査のある科学専門誌にも投稿される予定です。

なお、drisapersenによる治療を承認または認可している国はありません。